2024年8月13日 お知らせ

「印鑑」「はんこ」とは?〜人が気持ちを込める場所

ジグソーパズルの解説

はんこって日本固有の文化?

パズル

いや。中国や台湾でも盛んだよ。でも日本ほどいろんなシーンではんこを使う国はないみたい。ところで、何年前からはんこはあると思う?

ジグソーパズルの解説

500年前?

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答えは7,000年以上前!

契約や役場での手続きに必要なはんこ。古代文明が育んだはんこ文化を今も大切に受け継ぐ日本だからこそ、他の国では見ることがないような個性的なはんこがあります。

そもそも印鑑とは?

印鑑とは自分の名字や名前が刻まれた印面のはんこです。

ペーパーレス化などで昔と比べて印鑑が使われる機会が減ったものの、それでも成人の多くが実印などの印鑑を持っているのは賃貸契約や住宅ローンなど実生活で必要な場面があるから。

印鑑をあらかじめ役場で登録しておき、この印鑑がたしかに本人のものであると証明する「印鑑証明」はいろいろな契約の場面で求められます。

そんな印鑑は現在、さまざまなタイプのものが登場しています。そんな印鑑の種類やルーツなどの予備知識をご紹介します。

はんこのルーツは7,000年以上前

はんこ文化が根強い日本ですが、そのルーツはなんと7,000年以上前のメソポタミア。

当時、古代メソポタミアでは粘土板に「押すスタンプ型」や「転がす円筒形」のはんこがありました。当時は動物の骨や石、金属などに文字や抽象絵を刻んで押印し、「これは私のもの!」という証拠印として使われました。古代エジプト(紀元前3,000年頃)やインダス文明でも、様々なタイプのはんこが見つかっています。証拠印は大切に扱われ、お守り・魔除けのような存在でもありました。

はんこ(印章)といえば中国のイメージが強いですが、実は中国に伝わったのはそれに比べればずいぶん後のことで、今から3,000〜2,000年前。

それから日本に伝わったのは弥生時代で、奈良時代にははんこ文化が花開くことになります。その後、一般家庭で広く使われるようになったのは明治時代です。

今も私たちは神社で御朱印をもらいますが、これはその神社に実際に訪れ、参拝した証明、その土地、社の神様と縁を得た記しであり、これもはんこの一種と言えます。

印鑑・はんこの役目|日本だけじゃない。台湾、中国にも印鑑文化がある

印鑑・はんこは、自分の意志を公的に担保する道具です。そんな印鑑文化は日本だけではなく、台湾、中国でも根強いものです。

中国における印鑑

中国では個人の印鑑制度はなくなり、かわりに電子認証や手書きサインが一般的になりつつあります。法人がビジネスシーンで印鑑認証を使う習慣は今も残っていますが、それでもデジタル化の波は大きいようです。

台湾における印鑑

台湾でも2001年の電子署名法の成立により、それまで印鑑によるサインに加え、双方の合意があれば電子サイン(電子署名)も可能になりました。

もともと手書き署名の文化も根強い台湾ですが、電子サインが導入されたからといって、すぐに印鑑や手書き署名がなくなるわけではなかったようで、個人や法人が扱う契約書や銀行口座の開設などで印鑑を押印する機会はまだ多く、印鑑に対する信頼は高いようです。なんとなく日本と状況が似ていますね。

 

印鑑が必要となるシーン

契約を結ぶときや転居するときなどに実印が必要になります。たとえば以下です。

  • 賃貸契約
  • 各種保険加入
  • 住宅や車購入
  • 土地購入
  • 住宅ローンやカーローンなど銀行から融資を受けるとき など

また、婚姻届けなどの各種役場での手続き、履歴書、銀行口座の開設、積み立て預金の引き出しなどに、認め印、銀行などが必要になります。

実印とは?「印鑑登録」「印鑑証明」とは?

実印とは、お住まいの役所に正式に届け出たはんこのことです。

役所にはんこを届け出ることを「印鑑登録」と言います。印鑑登録をしておくと、必要なときに印鑑証明を発行できます。昔は役場や支所で発行してもらいましたが、今はコンビニでも発行できます(マイナンバーカードが必要)。

印鑑登録できる印鑑の材質やサイズは?

ゴム製など印影が劣化、変形しやすいものは登録できませんが、プラスチック製、金属製など材質がしっかりしたものなら、どんな印鑑も登録できます。

また、印影の大きさも一辺が8mm以上、25mm以下のものが登録できます(ただし、市町村により規定サイズは異なります)。

印鑑の作成

昔は印鑑は印鑑屋さんに頼んで作ってもらうのが普通でしたが、今はネットや100均でも手軽に自分の印鑑を手に入れられるようになりました。珍しい名字の方はオーダーということになりますが、それもネットなどで気軽に注文できます。

街の印鑑屋さんにお願いするのもおすすめ!店員さんに教えてもらいながら、実際に手にとればきっとお気に入りの印鑑や印鑑ケースが見つかりますよ。

また以下のような、金属の特性を生かして精度の高いオリジナルの印鑑をオーダーされる方もいます。

印鑑の種類

印鑑の種類には「材質(印材)」「印面」「書体」で以下のように分類できます。

印鑑・はんこの素材・材質(印材)

印鑑、はんこに使われる素材を印材と言います。印材には丈夫さ、欠けにくさが求められ、硬い木や金属、動物の角、牙、プラスティックなどが用いられます。

象牙

象牙の印鑑は昔から良質な高級品として重宝されてきました。

象牙は耐久性が高くキメ細かく、軽く押し当てるだけでくっきりと捺印できます。また、手触りがよく滑りにくく、見た目も美しいのが特徴。

ただし、1989年にワシントン条約で国際的に取引が禁止され、今は原則として海外 − 日本間の取引、国内での取引は禁止され、禁止前に仕入れた象牙を少しずつ使って作っている状況です。近い将来、象牙の印鑑は新たに作れなくなります。

金属

ステンレス、チタンなど金属製の印鑑は丈夫で耐久性が高く、印鑑登録に向いています。

また意匠性・デザイン性が高く、贈答や記念品として贈られることもあります。

印面が現れる金属製の印鑑「未来印」

 

プラスチック

自由な色で作りやすく、安価なメリットがあります。一方、プラスティックであるため、衝撃で欠けることがあり、印鑑登録などには不向きです。

木材

黒檀、つげ、カエデなど堅くヒビ割れしにくく、粘りがあり、キメが細かい木材が使われます。

印面の形

印面には大きく分けて、丸印と角印があります。会社の法人印は角印が多く、個人の印鑑には丸印が多く使われます。

書体による違い

書体には、篆書体(てんしょたい)、 隷書体(れいしょたい)、印相体(いんそうたい)、古印体(こいんたい)、吉相体(きっそうたい)、草書体(そうしょたい)、行書体(ぎょうしょたい)などがあります。

「実印はこの書体でなければならない」といった決まりはありませんので、気に入った書体を自由に選べます。

 

書体の一例

美しい印鑑〜日本の加工技術を生かした斬新なはんこ

人生の節目ごとに取り出す印鑑。愛着を感じてか、高校卒業時に家族や学校から贈られた印鑑をずっと実印として使い続ける人も少なくないようです。印鑑を押すことは自分の意志を相手に示すこと。印鑑は単なるモノではなく、人の気持ちが込められていく道具とも言えます。

そんな特別な道具を、卒業や進学、合格、就職、結婚などのタイミングで子どもや孫、大切な方への贈り物として選ぶ方も多くいます。

ここで、日本の金属加工技術を生かした斬新で美しい印鑑「未来印」をご紹介します。

日本の金属加工技術、とりわけ微細な金属の削り出し技術は世界トップクラス。実際、精度が求められる半導体部品やスマホ部品の製造を日本企業が請け負うケースが多いです。

そんな技術を生かして、印面の文字を精度高く削り出し金属同士のスライドにより押印面を作り出すのが、未来印です。意匠性が高く、国内に限らず、台湾や中国、アメリカなどでも贈答や記念品として贈られています。

 

  

 

以上、「印鑑・はんこ とは?〜人が気持ちを込める場所」でした。

なくなりそうでなくならない日本のはんこ文化。せっかくなら、お気に入りのはんこを永く持っていたいものですね!

 


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